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レンタルサーバーでPHPを変更する前に確認すること:バックアップと戻し方

公開 2026年10月22日 約7分で読めます

PHPの脆弱性のニュースを受けて、「PHPのバージョンを上げてください」と言われた院長もいらっしゃるでしょう。多くのレンタルサーバーでは、PHPのバージョンは契約者が管理画面から選べます。ボタンひとつで切り替えられることも多いのですが、準備なしに切り替えると、ホームページの表示が崩れたり、問い合わせフォームが動かなくなったりすることがあります。この記事では、切り替える前に確かめること、切り替えの一般的な流れ、元に戻す方法を順にお伝えします。

PHPのバージョンとは?変える必要があるのはなぜか

PHPは、ホームページを動かすためのプログラムの言語です。WordPressで作られたホームページの多くは、PHPの上で動いています。建物にたとえるとPHPは土台、WordPressはその上に建つ家、プラグインは家に取り付けた設備のようなものです。

PHPには「8.2」「8.3」のような版があり、古い版は順にサポートが終わります。サポートが終わると、弱点が見つかっても修正版が出ません。2026年10月20日には、PHPの開発チームが深刻な脆弱性2件(深刻度9.2/10段階)の修正を予告し、翌21日にはIPA(情報処理推進機構)が注意喚起を出しました(出典:IPA(情報処理推進機構)の注意喚起(2026年10月21日))。

今のPHP考え方
8.5/8.4/8.3/8.2それぞれの修正版(8.5.12/8.4.27/8.3.36/8.2.35)になっているかを確認する
8.1以前サポートが終わっていて公式の修正版がないため、8.2以降へ切り替える計画が必要

弱点はWordPressやプラグインではなくPHP本体にあるため、WordPressを更新していても、PHPが古ければ対象になり得ます。今どの版を使っているかの確かめ方はPHPのバージョンを確認する方法で、サポート終了の考え方はPHPのサポート終了とはで解説しています。

切り替える前に確認すること(チェックリスト)

PHPを切り替えると、土台が新しくなる分、上に載っている家や設備が合わなくなることがあります。古いプラグインや、制作会社が独自に作り込んだ部分は、新しいPHPで動かないことがあるのです。切り替えの前に、次の項目を確かめておきましょう。

  • 誰が管理画面に入れるか:レンタルサーバーの管理画面のログイン情報を、院内か制作会社のどちらが持っているか
  • 制作会社への連絡:制作会社が保守をしている場合は、切り替えてよいか、作業を任せるかを先に相談する
  • WordPress本体とプラグインの版:古いままだと新しいPHPに対応していないことがあるため、先に更新しておく
  • 更新が止まったプラグイン:作者が手入れをやめた部品は、新しいPHPで動かないおそれがある
  • バックアップ:ホームページのファイルとデータベース(記事や設定が入っている保管庫)の両方を控えておく
  • 作業の時間帯:休診日や診療時間外など、問い合わせや予約が少ない時間を選ぶ
  • 確認するページの一覧:トップ、診療案内、アクセス、予約、問い合わせなど、切り替え後に見るページを書き出しておく

バックアップは「ファイル」と「データベース」の両方を

ホームページは、画像やプログラムの入った「ファイル」と、記事や設定の入った「データベース」に分かれて保管されています。片方だけでは元に戻せないことがあります。多くのレンタルサーバーには自動バックアップの機能がありますが、いつの分まで残っているかは事前に確かめておきましょう。

切り替える前に、今の状態をざっと把握しておくのもおすすめです。外から分かる範囲で、PHPの版や鍵マークの状態などを確認できます。

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管理画面でPHPを切り替える一般的な流れ

レンタルサーバーによって画面の名前や配置は違いますが、多くの場合は次のような流れです。分からない場面があれば、無理に進めず、制作会社や保守会社に相談してください。

  1. バックアップを取る管理画面のバックアップ機能、またはWordPressのバックアップ用の仕組みで、ファイルとデータベースの控えを取ります。日時をメモしておきます。
  2. レンタルサーバーの管理画面にログインする契約時に届いたログイン情報を使います。ホームページの管理画面(WordPressの画面)とは別のものです。
  3. PHPの設定の項目を探す「PHPのバージョン設定」「PHP設定」などの名前で、サイトやドメインごとの設定の中にあることが多いです。
  4. 対象のドメインを選ぶ複数のホームページを同じサーバーで動かしている場合は、切り替えたいホームページのドメイン(住所)を選びます。
  5. 今の版を控えてから、新しい版を選ぶ元に戻すときのために、切り替え前の版を忘れずにメモします。新しい版は、サポート中の版から選びます。
  6. 変更を保存する反映までに数分かかることがあります。画面の案内に従って待ちます。
  7. 表示を確認する次の見出しのチェック表に沿って、ホームページの各ページを確かめます。

8.1以前から一気に新しい版へ上げる場合は、間の版を挟んで段階的に上げる方が、どこで問題が出たか分かりやすくなります。

切り替えた後の表示確認チェック表

切り替え直後は、患者さんが実際に使う流れに沿って確かめるのがコツです。パソコンだけでなく、スマートフォンでも見てください。ブラウザに古い表示が残っていることがあるので、念のため再読み込みしてから確認します。

確認する場所見るポイント
トップページ真っ白になっていないか、エラーの文字が出ていないか、レイアウトが崩れていないか
診療案内・医師紹介文章や画像が抜けていないか
診療時間・アクセス表や地図が正しく表示されているか
お知らせ一覧新しい順に並んでいるか、記事が開けるか
問い合わせフォームテストで送信し、院内のメールに届くか
予約ページ予約ボタンや外部の予約画面への移動が動くか
WordPressの管理画面ログインできるか、記事の編集画面が開けるか

とくに問い合わせフォームは、見た目は正常でも送信だけが失敗していることがあります。テストで1通送り、届くところまで確かめてください。

うまくいかないときの元に戻し方

表示が崩れた、真っ白になった、フォームが届かない。そんなときは、慌てずに元に戻せば大丈夫です。切り替え前の版をメモしておいたのは、このためです。

  1. PHPの版を元に戻す管理画面のPHPの設定で、メモしておいた切り替え前の版を選んで保存します。多くの場合、これで表示は元に戻ります。
  2. 表示を確認するトップページと問い合わせフォームを確認し、元どおりになったかを確かめます。
  3. それでも戻らなければバックアップから復元する切り替え前に取った控えを使って、ファイルとデータベースを元に戻します。復元の操作に自信がなければ、ここで制作会社や保守会社に連絡します。
  4. 何が起きたかを記録するどの版に切り替えて、どのページで何が起きたかをメモし、制作会社に伝えます。原因の調べがつけば、直してから改めて切り替えられます。

元に戻すのは一時しのぎです

古い版に戻すと表示は直りますが、弱点は残ったままです。原因になっているプラグインや作り込みの部分を直したうえで、なるべく早く改めて切り替える計画を立てましょう。多くは作り直しではなく、部品の更新や差し替えで対応できます。

復元の前提になるバックアップの取り方は、ホームページのバックアップの取り方で解説しています。

自分で切り替えるか、任せるか

管理画面での切り替え自体は簡単でも、事前の確認、切り替え後の確認、問題が出たときの原因調べまで含めると、手間も知識も必要です。目安としては次のように考えると判断しやすくなります。

  • 自分で進めやすい:WordPressとプラグインが更新済みで、バックアップと復元の方法が分かっている
  • 任せた方が安心:PHP 8.1以前から上げる、制作会社が独自に作り込んでいる、プラグインの更新が長く止まっている、管理画面に入れない

制作会社に頼むのが基本ですが、連絡が取りにくい、対応が契約外と言われた、という場合はHPドクターにご相談ください。今の制作会社との契約はそのままに、PHPの切り替えを含む保守をお引き受けしています(月額10,000円〜30,000円・税別、初期費用0円、担当制、緊急時は24時間受付)。

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よくあるご質問

PHPを切り替えると、ホームページはしばらく見られなくなりますか?

多くの場合、反映は数分で終わり、その間も表示は続きます。ただし相性の問題で表示が崩れることがあるため、問い合わせや予約が少ない時間帯に作業するのがおすすめです。

どの版に上げればよいですか?

サポートが続いている版から選びます。今回の弱点の修正版は8.5.12/8.4.27/8.3.36/8.2.35です。ホームページの作りによって合う版が違うため、迷う場合は制作会社や保守会社に確認してください。

レンタルサーバーの自動バックアップがあれば、自分で取らなくてもよいですか?

自動バックアップは心強い仕組みですが、いつの分まで残っているか、復元に手数料がかかるかはサーバーによって違います。切り替えの直前に、自分でも控えを取っておくと安心です。

管理画面にPHPの設定の項目が見当たりません。

契約しているプランや、サーバーの管理を制作会社が持っている場合は、契約者の画面に出ないことがあります。制作会社に確認するか、無料の自動診断で今の版だけでも把握しておきましょう。

元に戻したら、そのままにしておいてもよいですか?

古い版に戻すと弱点は残ったままです。原因を直したうえで、改めて切り替えてください。

この記事は、クリニックのホームページの保守を担当する株式会社Canvi「HPドクター」編集部がまとめました。運営会社は、医療法人・医療系企業の営業・採用・教育を支援する「MedLead」も提供しています。